武部力也の週間為替相場見通し(9/23週号)

2019年09月20日

10月増税前に「円」の需給程度が探られる展開

ドル円予想レンジ 106.00-109.00円

 「世界経済が抱える下振れリスクに対しては十分に目配りをし、そして、顕在化すれば、機動的かつ万全の政策対応を行う等、経済運営に万全を期していきます」-。これは9/11の第4次再改造内閣の発足時における安倍首相発言だ。10/1からの消費税率10%の必要性も強調しており、「安定と挑戦」の態勢構築を示す中では消費増税による景気の悪化対策に努めることだろう。19年度予算として2兆280億円の消費増税対策がなされているが安倍首相が万全を期す考えを示していることから、秋の臨時国会では更に上積みする補正予算の可能性も一部永田町関係者からは聞こえている。2021年10月に衆院議員は任期満了となるが、令和初となる衆院解散・総選挙をも睨むなら、消費増税でも景気対策に最大限注力した実績作りは自民党としても必須だ。景気悪化で有権者がそっぽを向けば、安倍首相の悲願、憲法改正どころかの議論の前進にも覚束ないことになろう。1989年4月に消費税3%が導入されて以来、1997年4月に5%、2014年4月には8%へと引きあげられた。今回は「あらゆる施策を総動員」とした安倍首相の覚悟から周到な準備と計画が伺われる。9/12の日銀黒田総裁との会談は増税対策での緩和手段が議論された、との憶測報道も伝わったほどだ。

日銀据え置きで円高、は本当か

 9/19午前3時に米連邦公開市場委員会FOMCは利下げを決定し、それから約9時間後に日銀は金融政策決定会合で現緩和策を維持とした。不動である。筆者は前号で日銀行動の可能性は0%ではないものの黒田総裁が「モメンタムが損なわれる恐れがあれば行動」の姿勢から据え置き予想としたが、今回は追加緩和の準備を強調し、円買い攻めに牽制球を投げたようにも映る。ところが日銀が会合結果を公表する前後は円高が進行した。一部からは、「日銀無策への失望が円高圧力に転じた」との見解が聞えたが、筆者は別次元、時節の需給を想起した。つまり9月末が「第2四半期決算」、「本決算」とした不変、不動の会計決算時期であることだ。輸出企業のドル資金円転(ドル売り/円買い)ほか、一般企業や機関投資家・金融機関がグローバルでの景気減速、不透明感を警戒し、海外資産の圧縮を強め、外貨売り/円転を持ち込んでも決して不思議ではない時期なのである。「米中貿易摩擦」は解決に向けた進展期待がある一方で予断を許さない状況でもあり、またトランプ大統領によるドル高是正の意向も明白だ。そして6月日銀短観では大企業・製造業の2019年度想定為替レートは109.35。9月最終週は円転需給が上伸性を抑制する、と考察している。

9/23週ドル円焦点

 9/18-19高値圏108.48-49、越えれば109.00-10。8/1高値109.33は6月以降の最高値で200日線推移圏。下値焦点は9/11-12、9/16安値圏107.49-51。割れたら9/10安値107.17、9/9安値106.77、9/6安値106.615、9/5安値106.315を推考。9/4安値105.82、9/3安値105.725、8/27-28安値105.58-64では堅調性が示されるのではないか。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

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