武部力也の週間為替相場見通し(3/11週号)

2019年03月08日

トランプ「円安・吊し上げ」に安倍首相が向き合う局面

ドル円予想レンジ 110.10-112.60円

トランプ大統領の「パウエル議長・吊し上げ」

「a gentleman that likes raising interest rates in the Fed, we have a gentleman that loves quantitative tightening in the Fed, we have a gentleman that likes a very strong dollar in the Fed(FRBの金利引き上げを好む紳士、FRBの量的引き締めが大好きな紳士、FRBに非常に強いドルを好む紳士がいる)」-。これは3/2、全米最大規模の保守派年次集会「保守政治行動会議(CPAC)」でのトランプ大統領発言だ。名指しこそなかったものの“紳士≒パウエル議長”である事は誰でも分かる痛烈な皮肉である。パウエル体制下でのFOMCは4回の利上げを行い、トランプ大統領は不満を鬱積。しかし、本年のパウエル議長は世界経済の減速を理由に、金融引き締めから様子見姿勢への転換を表明し、金融正常化を実質、棚上げ。2/4には非公式夕食懇談会もなされている。それにも関わらずの前出発言を鑑みると、トランプ大統領のドル高・利上げへの執拗な牽制は他意がある、とも読めそうだ。

トランプ大統領の「円安・吊し上げ」

筆者推考のトランプ大統領・思考回路は一つ。イエレン前議長も「(大統領は)無知だ」と批判していたが、米貿易赤字削減を性急に望む上で為替への関心度が高く、『ドル高≒相手国通貨安≒米国の輸出不利→ドル高排除』とした短絡的構図を描いている可能性だ。3/15の日銀会合では景気判断の下方修正を見込んでいるが、もし、現「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」を修正強化、などとしたらトランプ大統領はどのような反応を示すだろうか。恐らく「円安誘因」との不満をツイッター投稿し、物議を醸す可能性が高いのではないか。日米両政府が今春にも始める物品貿易協定(TAG)交渉では為替条項が対象に加わる可能性が警戒されている。筆者は財務省・浅川財務官から「貿易と為替は別もの」との明言を直接聞く機会があったが、果たしてトランプ大統領は納得してくれるのだろうか。対中国交渉での人民元同様の取り扱われ方(安定≒切り下げ牽制)も否定できないのではないか。2/27に2回目の米朝首脳会談が物別れに終わり、安倍首相は「次は、私自身が金委員長と向き合わなければいけないと決意している」と、直接対話で問題解決を図ることに意欲を示していた。筆者は安倍首相がトランプ大統領と向き合い、円安牽制に立ち向かい、諌める場面が遠からずあり得ると読んでいる。

3/11週ドル円焦点

上値焦点は112.00節目、12/20高値112.61、12/18高値112.86。下値焦点は200日線(111.37)、3/1安値111.32、2/28安値110.65、2/27安値110.345、2/15安値110.25、日足一目雲上限110.113を推考。

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