武部力也の週間為替相場見通し(1/14週号)

2019年01月11日

年初「円瞬騰」後の暖機運転(アイドリング) 局面

ドル円予想レンジ 107.00-109.70円

「まず何よりも今年はしっかりと経済の足腰を強化していくことが求められているんだろうなと、こう思います」-。これは1/7の経済3団体共催新年祝賀会での安倍首相挨拶だ。

当局の責務は「1ドル109円41銭」越えか

年始1/3の早朝7時半頃、円が急騰し、僅か3分程度で一時104円台と約9カ月ぶりの円高ドル安水準を記録した。米経済や世界経済の先行きへの懸念が強まり、厚みの無い薄い市場時間帯にAI/アルゴリズム取引による円買いがロスカット(損失確定売り)の拍車を強めたとみられる。105円近傍では為替予約や各種オプション設定観測が聞こえたが、「フラッシュ・クラッシュ」(瞬時の急落)の動きはあっと言う間だった。円高抑止の腰の弱さ、脆弱性が狙われ「円急騰」より「円瞬騰」、とした言い回しが適当か。

しかし、筆者は瞬時の急落より今後の焦点として、FOMC利上げ後の12/20、1ドル110円近接の12/25、そして円急騰後に財務省・日銀・金融庁が緊急会合を開催した1/4を注視している。政権与党、当局の意向に反して円高進行が継続するのか、とした意見交換会は、ウラを返せば遺憾な市場への牽制表明だ。日経平均株価、そして輸出企業群の業績に悪影響を及す懸念があり、会合はそれを排除する責務の顕れとなろう。水準感としては、前回時より2円幅程度円安修正された12月日銀短観・大企業・製造業の2018年度想定為替レート<1ドル109円41銭>をベンチマークとしているのではないか。対応策としては長期運用資金(公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人〈GPIF〉等)における外債運用の比率変更等で、円投強化の可能性を推考している。

日韓・日米関係、そして年末ドル需要の年明け継続性

読み切れない不定見材料として①日韓関係の悪化(慰安婦問題を巡る財団解散・旧朝鮮半島出身労働者関連訴訟・火器管制レーダー照射問題)による極東地政学リスクの高まり、②「日米物品貿易協定(TAG)」の交渉開始に向けた「為替条項」を巡る動き、③年末ドル需要の継続性、を留意。①②は外交政治次第であるが、③はLIBOR・ロンドン銀行間金利(1ヶ月・3ヶ月)は横ばいながら上昇高止まりであり、調達コストから勘案すると直物市場でのドル買い・円売りの継続性が問われよう。但し、米利上げテンポの停止がドルブル派の失意となりドル上伸を抑制、とも読んでいる。

1/14週ドル円焦点

上値焦点は週足雲下限109.69、1/2高値109.74。越えれば節目の110.00、12/31高値110.49。下値焦点は1/4安値107.50、節目107.00、1/3の円急騰後の戻り安値106.745。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

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