武部力也の週間為替相場見通し(12/3週号)

2018年11月30日

米利上げ嫌うトランプ大統領を考察する局面

ドル円予想レンジ 112.30-114.50円

 「全く、少しも満足していない」-。これは11/27の米紙インタビューにおけるトランプ大統領発言だ。12月にFRBの追加利上げが見込まれるなか、2月に就任したパウエル議長にとって4回目の利上げとなることへの不満を露わにした格好となる。

トランプ大統領の利上げ批判理由を読む

トランプ米大統領は今夏以降、FRBの利上げを幾度となく批判しているが、その意図・理由は何か。中間選挙敗北、株価下落、GMの北米工場閉鎖計画など、何から何までFRBの利上げが原因、とする責任回避のパフォーマンスとも読めるが、「私はFRBから必要なものを提供されていない」と舌鋒は鋭い。そこで筆者が注視したのが米20都市住宅価格指数(S&P/ケースシラー)である。2016年以来の低い伸びに留まっており、9月データも前月比上昇ながら伸び率は6カ月連続で鈍化している。FF金利上昇が住宅ローン金利を上昇させ、住宅市場の重荷になっている可能性もあろう。つまり、利上げによる高い借り入れコスト増加が不動産購入を抑制させている、との見方である。同指数の伸び率低下は米利上げ期毎に同調しているとも言えよう。ここで整理しておきたいのは、トランプ大統領の出自が実業家・ホテル業経営等で、大学の専攻も不動産であったこと。要は、不動産業界出身であるトランプ大統領だからこその独特の着眼点があり、オンビジネスの嗅覚でFRBを批判している、との筆者考察である。

無論、トランプ大統領が連邦準備法10条に基づき、FRB議長に対し「正当な理由(for cause)」を理由に罷免するとまでは考えていない。FRB議長罷免となれば、これまでの市場対話を放棄し、大統領自らの人選ミスを露呈させ、金融市場を混乱に貶めることとなろう。そうなれば、2年後の大統領選に向けて有権者からの誹りは免れない。しかし、大統領自身が直接注文をつけるという前代未聞の異例さを鑑みると、パウエル議長がトランプ大統領発言を無視するとは考えづらく、11/28に当面の利上げの継続を滲ませつつも、「中立金利」に近いとも言及した点には留意が必要だ。前号では、シカゴFEDウオッチ(11/21時点)での、2019年3月時FOMCにおける2.25-2.50%での据え置き確率は47.5%、2.50-2.75%への利上げ確率は39.6%と紹介した。今回(11/29時点)は据え置き確率が52.7%、利上げ確率は35.5%となっている。

12/3週ドル円焦点

上値焦点は11/28高値114.05、11/12-13高値圏114.16-21、10/3-4高値圏114.54。下値焦点は11/23-11/21安値圏112.63-65、11/20と10/30安値112.295-30。割れると10/29安値111.765、10/26安値111.365。テクニカル観点では日足雲帯 (上下限112.162-112.674)を日々局面で注視。

出所:岡三ネットトレーダープレミアム

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