次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2020年03月17日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】12月IPOの「勝ち組」に注目する

今回のレポートでは、大荒れの相場展開が続く中、昨年12月に新規上場した銘柄の一角が比較的値を保っていることに着目した。日経平均株価やダウ工業株30種平均が一日で1000円(1000ドル)下落するのも珍しくなくなってきた異例の状況にあって、さすがに連日で上昇しているわけではないが、上場してからまだ日が浅いために戻り待ちの売りが少ないといった需給面の安心感に加え、例えばIT・ネットサービス系のビジネスで新型ウイルスによる業績への悪影響が限られそうだという業態面から選別され、相対的な底堅さにつながっているものとみられる。また、5G、AIといった成長期待の強いテーマに関わる銘柄も全面安商状の日に逆行高を演じるケースが散見される。

昨年12月に上場した22銘柄のうち、3月16日時点の株価が初値を上回っているのは以下の6銘柄に限られる。これらを12月IPOの「勝ち組」と位置づける。

コード 銘柄名 内容 終値(3/17) 発注画面
4478フリークラウド型会計・人事ソフト2,800
4479マクアケクラウドファンディングのプラットフォーム3,200
4480メドレー医療分野の人材紹介・オンライン診療システム1,538
4483JMDC医療ビッグデータ事業4,115
4485JTOWER通信キャリア向けインフラ共有化事業3,480
4488AI inside手書き文字のデジタル認識サービス16,350

メドレーは医療ヘルスケア分野では日本最大級となる求人サイト「ジョブメドレー」を運営。成果報酬型で低価格という戦略を取る。新型ウイルスの影響で一部の顧客が採用活動を控える一方、より積極的な採用を進める顧客もおり、「業績予想に対して堅調に推移している」(3月17日付の同社公表資料)という。オンライン診療システム「CLINICS」も手掛けており、新型コロナ対策としてオンライン診療に再びスポットが当たっているのも注目ポイントだ。同システムについては今月12日、アインHDなど大手調剤薬局3社と服薬指導の実施で連携を開始することを発表した。

【メドレー(4480):日足:6カ月】

JMDCは健康保険組合に保険者支援サービスを提供。診療報酬明細や健診データを獲得し、匿名加工後の二次利用許諾を得て製薬会社などに医療データとして販売する。全健保加入者2900万人の4分の1にあたる703万人のデータを収集。生活習慣病の増加や労働力不足、医療費増大などを背景に医療ビッグデータ市場は今後も成長が続く見通し。すでに圧倒的なデータを有する同社の先行優位性に注目が集まる。

AI insideは手書きの文字をAIによってデジタルデータ化するサービス「DX Suite」を展開。従来は人が手入力で行っていたデータ化業務を自動化することが可能で、顧客の生産性向上や働き方改革をサポートする。書類の提出が多い官公庁などのニーズを取り込み、今月2日には「DX Suite」が1000契約を突破したことを公表した。上場して約1ヵ月半後の2月12日に早くも20年3月期業績予想の上方修正を発表。営業利益は3億3300万円(前期は1億8100万円の赤字)を見込む。第3四半期営業利益は2億9900万円と通期予想の90%をすでに達成しており、さらなる業績上振れも期待されよう。

執筆者

中村 鋭介 氏

株式会社ストックボイス 記者
ストックボイスで記者としてマーケット(主に新興市場)の取材に携わる。

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