次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年11月01日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】M&A減税措置検討、市場規模拡大に期待

一部報道によると、自民党税制調査会は年末に公表する来年度の税制改正大綱(与党が税制調査会を中心に翌年度以降にどのように税制を変えるべきかをまとめたもの)に向けて、企業利益の蓄積である内部留保の活用を促す優遇税制の導入を検討している。他企業の合併・買収(以下、M&A)に活用した投資額の一定割合を税額控除する案が挙がっている。内部留保をM&Aに活用する狙いの理由は主に2つ理由がある。1つは、日本企業の内部留保が年々増加していることだ。公表されている法人企業統計調査によると2018年度の金融業・保険業を除く全産業の内部留保は463兆円と、7年連続で過去最高を更新している。内部留保がこれだけ増えた背景として、日銀の金融緩和継続によって為替が円安基調であることから輸出企業を中心に好業績が続いたことや、米中貿易摩擦の影響等で新たな設備投資を手控えていたことなどが挙げられる。

もう1つの理由は、内部留保をM&Aに活用することで、新しい技術を持つ企業やスタートアップ企業への投資を促し、新規事業領域の成長を促進させることだ。日本企業は社内に研究者を囲い込む自前主義が強く、知的財産や契約の仕組みで研究技術の保護に偏る傾向がある。そのため、日本企業は研究技術の深耕や既存製品の改良への投資には関心は高いが、新たなサービスやビジネスモデルを開発するイノベーションへの投資は積極性に欠ける。欧米では社外のベンチャー企業や大学などが持つ技術やアイディアを活用する「オープン・イノベーション」が盛んであり、社内資源(リソース)に依存せずにあらゆる枠組みを超えて新たなイノベーションを創造する意識が強い。「オープン・イノベーション」を実現するためにM&Aを積極的に活用している企業が大手IT企業のGoogleだ。2006年に動画配信サービスのYouTubeを、2014年に人工知能を開発するDeepMind Technologies(人間のプロ囲碁棋士に勝利したことで有名になったコンピュータ囲碁プログラムAlphaGoの人工知能を開発した企業)を買収した。Googleはこのようなスタートアップ企業をM&Aしては自社サービスの発展にその技術を活かしている。

M&Aは後継者不足を背景に中小企業の事業承継策の一つとして活用されており、政府による事業承継支援が行われている。
今回のM&Aに対する減税措置の検討が実行に移れば、M&Aは中小企業だけではなく大手企業にとっても重要な選択肢となり、M&A市場はより活性化されるだろう。

以下に、M&A仲介サービスやM&Aコンサルタントに関連する銘柄を紹介するので参考にしていただきたい。

主なサービス コード 銘柄名 終値
(11/1)
注文画面
M&A仲介サービス2127日本M&Aセンター3,455
6080M&Aキャピタルパートナーズ7,950
6196ストライク4,065
M&Aコンサルタント2174GCA879
6088シグマクシス1,560
6532ベイカレント・コンサルティング5,520

また、12月2日に名証セントレックスへ上場予定の新規IPO名南M&&A(7076)もM&&A仲介サービスを展開している企業だ。11月14日からブックビルディング開始予定。
IPO取扱の詳細についてはこちらを参照していただきたい。

IPO取扱銘柄

(岡三オンライン証券 エクイティ事業部)

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