次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2019年04月02日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】10連休を迎える前の買い需要

5月1日から始まる新しい時代の元号が「令和」に決まった。武家中心の封建社会だった江戸時代が終わり、近代日本は明治、大正、昭和、平成と続き、あと1カ月弱で令和の時代を迎えるわけだ。新元号が発表されたことで俄然、新しい時代への期待感が膨らみ、5月1日の新天皇の即位に向けて国民の慶祝ムードや高揚感も高まってくるだろう。これが日本経済や株式市場にとっても追い風となることを期待したいが、ただ市場関係者の間でひとつの不安要因となっているのはこれまで経験したことのない「10連休」への対応だ。

確かに10連休は新天皇の即位を国民がこぞってお祝いするという意味で良い趣向だろうし、消費活性化の効果も期待できる。この期間に一生の思い出ができる人も少なくないかもしれない。しかしながら、これは基本的に日本国に限ったスケジュールであり、この間にも世界経済や国際金融市場は刻々と営みを続ける。日々、それらに対峙し、格闘している投資家や市場関係者にとってはのんびり休んでいられるのかどうか、気になるところだ。また、のんびりと休むためには事前の準備が極めて重要になってくる。

とくに最近の金融市場は世界景気の先行き不透明感などを背景に不安定な局面にあり、東京市場が10連休の間に海外でどのような突発的な現象が起きるか分からない。東京市場が年末年始の6連休中だった今年1月3日には外為市場で1ドル=108円台前半で推移していた円相場が約1分で104円10銭まで急騰し、その後、1時間もしないうちに107円90銭に戻るという「フラッシュ・クラッシュ」(瞬時の急落)が発生。これによって外国為替証拠金取引(FX)を手がける多くの個人投資家が痛手を負った。この動揺が収まらないうちに今年最初の取引を迎えた翌4日の東京株式市場では日経平均株価が一時773円安という急落に見舞われたのはまだ記憶に新しい。

このような悲劇を避けるためには事前に不必要なポジションは極力減らしておくべき。中長期を見据えた足の長い資金は別として、短期主体の投資家は売買ポジションを可能な限り落として連休を迎えた方が安心して休めるに違いない。その意味でとくに信用取引を手がける投資家は連休入り前の4月26日までに反対売買を行い、いったんポジションを閉じておく必要があるだろう。中でも注目されるのが信用の取組がきっ抗、あるいは売り残超過の状況で逆日歩がついている銘柄群の動向だ。仮に逆日歩がついたカラ売りポジションを維持したまま10連休に突入すれば10日分の逆日歩がそのままコストとなり、投資家の負担は増す。ただでさえリスクの大きい10連休を前に、これらの売り方がポジション整理に動く例は増えると予想され、とくに逆日歩がつく銘柄には一時的な買い戻し需要が発生すると考えられる。

最近の東京株式市場の新高値銘柄の顔ぶれを見ると、JR東海(9022)、阪急阪神ホールディングス(9042)、三菱倉庫(9301)などが並ぶが、これらは信用倍率が1倍を大きく割り込み、逆日歩がついた銘柄群。連休まで1カ月近くを残しているとはいえ、営業日数は18日ほどに過ぎない。売り方の心理からすればぎりぎりまで引っ張るのはリスクが大きく、ここから1~2週間のうちに整理を終えたいと考えるのが自然ではないか。その意味で以下に示すような逆日歩銘柄の動向に注意を払いたい4月相場だ。

コード 銘柄 終値
(4/2)
逆日歩の金額 注文画面
2264森永乳業3,70510銭
2593伊藤園5,64010銭
3196ホットランド1,6375銭
3630電算システム3,44010銭
4661オリエンタルランド12,43025銭
4911資生堂7,74215銭
7630壱番屋4,85010銭
8111ゴールドウイン16,10030銭
9008京王電鉄7,00015銭
9416ビジョン5,05010銭

(日証金・4月1日現在)

【伊藤園(2593):日足:6ヶ月】

【ゴールドウイン(8111):日足:6ヶ月】

執筆者

今野 浩明 氏

株式会社ストックボイス 記者
専門紙や情報配信会社、ラジオNIKKEIで記者として活躍。

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