次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2018年08月07日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】スマホの発火を止め、電気自動車の走行距離に革命を起こす技術とは?

株式市場では、米中貿易摩擦が注目されているが、環境政策という分野別で、中国は世界をリードすることを考えている。
米国が仕掛けた?中国との貿易戦争に対して中国側が逆襲すると思われる有力な分野が、この環境関連問題だ。CO2排出削減などを巡って、欧州や中国が米国を追い詰めるという展開が、今後、十分に考えられ、環境関連銘柄が株式市場で再び注目されるタイミングは、近いかもしれない。
環境問題の流れは、主に、再生エネルギー分野と自動車分野に分けて議論されるが、今回は電気自動車の普及に必要とされる「全固体電池」について、投資対象を考えてみたい。

自動車業界は、貿易戦争のリスクによって、下落圧力にさらされやすいが、EV開発のための技術を持つ中小型銘柄は、「つれ安」にすぎない下落を演じている会社もあるだろう。
また、トヨタの値動きを日経平均と比べてみても、実は貿易摩擦問題が激化している直近6カ月においても、それほど変わらない、というのが事実である。
つまり、自動車関連銘柄について、貿易問題を極度に警戒する必要は無い、ということだ。

【トヨタと日経平均の比較チャート】

トヨタと日経平均の比較チャート

EV(電気自動車)の性能強化のための開発は、今、急ピッチで進められており、電池の安全性の向上や走行距離の延長などの課題の解決は時間の問題だろう。欧州では、2030年までにドイツがガソリン車ディーゼル車の販売を禁止するという決議が議会を通過し、フランスも「パリ協定」の目標実現の為、2040年までにガソリン車、ディーゼル車を販売禁止にする方針となっている。
環境大国を目指す中国もまた、同様に、将来的なガソリン車などの販売禁止に向けて舵を取る方針だ。
そして、EV開発にとって重要なことは、「電池」の開発だ。従来のリチウムイオン電池では、液体が電解質として使われているが、このことが、発火の危険や走行距離の限定につながっている。そこで開発されつつあるのが、「全固体電池」だ。電解質が液体でなければ、発火の危険性が激減し、走行距離の延長も実現可能だ。一方で、まだ固体電池の欠点もあり、この実用化にはあと1年半~2年がかかるとされている。
このことが、逆に関連銘柄を売買するチャンスを生じさせている。

全固体電池関連銘柄

コード 銘柄名 市場 終値
(8/7)
注文画面
3891 ニッポン高度紙工業 東証JASDAQスタンダード 3,005
4275 カーリットホールディングス 東証1部 1,013
5218 オハラ 東証1部 2,524
5706 三井金属鉱業 東証1部 4,300
6339 新東工業 東証1部 1,032
6955 FDK 東証2部 189

ニッポン高度紙工業は、固定電解質シートでサムスンと共同特許を持っている。株価は2800円から3200円のボックス圏を動いているので、買い場は探しやすいだろう。
同じように電解質の研究技術で進んでいるのがカーリットホールディングス。主力事業が、電池の検査であり、電池技術の進化には大きな恩恵を受ける企業だが、発煙筒の大手であり、地味なイメージがあるからか、PBRが1倍を割れている(8月6日終値1016円PBR0.93倍)。オハラは、光学ガラス国内トップの企業。同社が開発した固定電解質は、マイナス30度から200度まで性能を失わない。高温、低温に弱いとされてきた全固体電池の実用化に大きく寄与する企業だ。営業利益は急成長を始めており、6月14日には、今期営業利益予想を18億円から27億円に大幅上方修正をしている。
三井金属は、非鉄金属大手の大型銘柄。今期は減益予想で株価は大きく調整中だが、全固体電池においては、その量産体制ができたとし、この分野に将来的な成長を期待している。
また、M&Aを得意とする新東工業も、全固体電池関連の特許を保有している。株価は1500円台から1000円割れまで下落している。
東証2部のFDKは、富士通傘下の企業で、ニッケル水素電池を得意とする企業。全固体電池の正極材料を開発している。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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