次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2018年06月12日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】欧州の個人情報保護強化で注目される情報セキュリティ企業

先月25日、欧州で個人情報保護に関する新たな動きが出た。
これまでの個人情報保護規制DPD95(EUデータ保護指令)をさらに進め、GDPR(一般データ保護規則)というより厳しい個人情報管理の規制遵守を各法人に求めたのだ。
この規則が注目されるのは、例のフェイスブックにおける個人情報流出事件が連想されるからだ。こういった規則強化によって、IT企業の成長力にディスカウント圧力がかかるのではないか、という警戒感が市場には広がりやすい。しかも、GDPRはEU域外の企業にも適用され、日本企業にも影響を及ぼす恐れは十分にある。
そこで、このGDPRによって「注目すべき業種」と「警戒すべき業種」は次のように考えてみたい。
まず注目すべき銘柄は、情報セキュリティ関連銘柄だろう。今後は、インターネット上で事業を行うあらゆるサイトに、サイバー攻撃対策、個人情報保護のための施策がなされていなければならない上、年々、そのバージョンアップは必要不可欠だ。
IDC japanによれば、セキュリティ商品市場は2017年~2022年で年3.9%の平均成長率が見込まれる市場だ。
次に、ポータルサイト大手はフェイスブックなども含め「買い」かもしれない。結局、個人情報保護のための仕組みを着実に取り入れられるのは大手企業であり、GDPRの影響で今後、中小サイトの淘汰が進む可能性が高まっている。
さらに厳しい対応を迫られるのは、いわゆる「アドテク」関連企業、つまり、インターネット広告を仕組みで企業向けに提供する企業だ。彼らはその事業上のシステムを根本的に改革する必要に迫られる可能性がある。
下表では、情報セキュリティ関連銘柄をいくつか挙げてみた。

コード 銘柄名 市場 終値
(6/12)
注文画面
2158 FRONTEO 東証マザーズ 1,228
2326 デジタルアーツ 東証1部 5,740
3692 FFRI 東証マザーズ 3,560
3857 ラック 東証JASDAQスタンダード 1,758
3916 デジタル・インフォメーション・テクノロジー 東証1部 1,250
4704 トレンドマイクロ 東証1部 6,500

情報セキュリティといっても、企業によって得意不得意は様々だ。
東証マザーズのFRONTEOは、「デジタル・フォレンジック」を得意とする企業だ。いわゆる「デジフォレ」は、なんらかの事件が起きた際に、携帯やPCデータの抽出作業に使われることで知られるようになった。消去したデータなどを復元、抽出することができ、需要は大きくなっている。近時ではAI関連、さらに海外への事業展開も評価され、株価は4年前の新高値まであと15%程度の水準まできている。
デジタルアーツも、株価は新高値近辺にあり、人気化している。この企業は、情報漏洩防止のためのフィルタリングシステムを官公庁、企業向けに提供しており、まさに個人情報保護関連銘柄だ。今期予想の25億円の営業利益は対前期比25%以上の増益率だ。
上記銘柄の中で、唯一株価が低迷しているのがFFRIだ。サイバー攻撃対策の他、スマホにも強い。規模がまだ小さい企業で、売上が16億円程度(営業利益約3億円)なので、変化率が大きい期待値はある。
ジャスダック上場のラックは、2015年につけた高値2015円を追う動きで、1700円を超えてきた。同社はネットセキュリティの先駆者といえる存在だ。4月には、この業界で最も課題となっている人員不足を解消すべく、売上10億円程度の企業を買収した。同時に先月9日には中期経営計画を発表し、意欲的な事業展開を進めている。
東証1部のデジタルインフォメーションテクノロジーもまた、サイバーセキュリティ関連の本命といわれる銘柄の一つ。独立系だが、官公庁むけにも強く、サイトへのサイバー攻撃を瞬時に把握・防御するシステムを得意としている。6月決算銘柄で、先日、代表者の若返りを発表するなど、株価は動意づく兆候がある。

【デジタル・インフォメーション・テクノロジー日足チャート】

デジタル・インフォメーション・テクノロジー日足チャート

最後のトレンドマイクロは、世界第3位のセキュリティーソフト大手企業。世界的な需要拡大を受け、業績は順調に推移している。株価の動きは、ダブルボトム形成後の上昇波動にあり、これまでの高値6710円まであと少しの局面だ。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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