次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2018年05月15日
岡三オンライン証券株式会社

【次の一手】メルカリ上場で注目される、「小売りの強者」たち

5月14日、政府は2019年10月の消費税増税が景気に大きな影響を与えないよう、住宅・自動車減税の検討に入る、と報じられた。同時に、6月19日にはメルカリ(ネット上でのフリーマーケット運営)が東証マザーズに上場することも発表された。
これらの材料は東京市場に良い影響を与えそうだ。
しかし、世界の株式市場はすでに楽観に傾いており、東京市場も日経平均株価は第一のマドを埋め、第2のマドがある23,000円超の水準をうかがっている。
米中の貿易戦争がテールリスク(実現しえないようなリスク)であるという認識が広がると同時に、再び世界では株高が進みつつある。

ただし、同じような株高の中でも各国によってその内容は少しずつ異なる。銘柄選別のときには、その「違い」に注目すべきだろう。
例えば米国では、デフレはほぼ克服されつつある、という認識があり、いま株式市場はインフレ懸念と利上げペースへの警戒感に敏感になっている。
一方、東京市場ではインフレはまだまだ遠い世界の話だ。このデフレの中で、利益を上げる企業に着目する「業績相場」が市場を牽引している。

メルカリもそういった企業の一つだ。
同社の上場と共に、日本における小売り関連の企業がより注目されるかもしれない。
企業業績が伸びても、それが個人消費に連関してこない現在の日本経済のシステム上の疑問にはあえて眼を瞑り、この状況に適応し他社と差別化を進めている企業により注目をすべきだろう。

そこで、下表では日本の消費を牽引する企業をそれぞれの分野から抽出してみた。

コード 銘柄名 市場 内容 終値
(5/15)
注文画面
2371 カカクコム 東証1部 インターネットで消費をリードする 2,185
3088 マツモトキヨシホールディングス 東証1部 インバウンドで圧倒的な強さ 5,610
4680 ラウンドワン 東証1部 スポーツ健康消費の需要が好調 2,010
8252 丸井グループ 東証1部 実店舗の戦力としてフィンテック的戦略をとる 2,297
7532 ドンキホーテホールディングス 東証1部 ディスカウントストアの本命だが、
株価が割安ゾーンへ
5,710
8028 ユニー・
ファミリーマートホールディングス
東証1部 伊藤忠の消費戦略の中心としてコインランドリー、
フィットネスへ
11,250

メルカリ同様、インターネットを使って消費形態の改革をリードしていった企業が「カカクコム」だ。同社は、「食べログ」「価格ドットコム」といった独自の消費関連サービスを世の中に浸透させてきた。今期以降は自社の機能をより実店舗への送客に活かすビジネスモデルへ転換を志向すると同時に、ファイナンス的なサービス、求人サービスなどへ守備範囲の拡大を目指し、今後の業績拡大が期待できる。メルカリ関連として上昇期待もあるが、2016年年初の高値まであと13%という株価位置にあり、高値を奪回していく動きが期待できるだろう。

【カカクコム3年間の週足チャート】

カカクコム3年間の週足チャート

マツモトキヨシは訪日客のニーズが衰えを知らず、少なくとも東京五輪前後まで盤石な地位を確立する可能性があろう。おなじく、東京五輪関連として期待されるラウンドワン(スポーツ施設運営)は、日本選手が海外で活躍するニュースが多い昨今、若年層の利用がさらに期待できる状況にある。平成30年3月期は93億円程度の営業利益が見込まれていたが、5月8日に発表した決算では営業利益は100億円を超えてきた。5月14日時点の株価は今年2月の高値まで約10%という位置にある。

丸井グループは大規模小売店舗ではあるが、早くから事業への危機感は強く、自社カードを核とした金融的手法による収益確保では他社より一歩先を歩んできており、今後、フィンテックと小売りが結合していく上でリーディングカンパニーの一つとなる期待がされている。

ドンキホーテはディスカウントショップの老舗と言えるが、業績自体は好調と思われるものの、先日の第三四半期業績発表以降、株価は数日下落している。数値自体はそれほど悪いものではなく、押し目での買いを検討できそうな動きだ。

ユニー・ファミリーマートホールディングスは話題性のあるM&Aでもあり、伊藤忠グループの小売り戦略の要としてその後の収益が注目されている。特に、フィットネスやコインランドリー事業への参入が発表されており、大きく業績が化ける可能性もある。

執筆者

堀 篤(ほり あつし)

1962年10月27日生まれ 愛知県出身
証券アナリスト協会検定会員
1985年、野村證券(現野村ホールディングス)入社。1998年退社後、上場企業役員を2社勤め、2001年コンサルタント会社設立、独立系アナリストとして、有望企業を投資サイト・雑誌などで紹介している。
総合economicサイト、「サチとれ」を運営。
証券マン、上場企業役員、投資家、コンサルタント、アナリストという360度異なる方面の経験を活かした、独自の分析スタンスで中小型優良銘柄の発掘を行う。

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