25.フィボナッチ
フィボナッチは13世紀のイタリアの数学者。彼がエジプ卜から持ち帰って紹介した「うさぎの出生率」に関する数学的解法がフィボナッチ級数。エリオット波動理論の数字の根拠として有名。
「うさぎの雌雄1つがいが毎月、雌雄1対の子を産み、子は2カ月たつと成長して子を産む。1年後に何つがいになるか」という計算では、1、1、2、3、5、8、13…というように、直前の和が次の値になる数列となる。
この数列には数々の特徴がある。その一部を紹介すると、
- (1)連続する2つの数の和は、その上位の数
- (2)どの数も、その上位の数に対しては0.618倍
- (3)どの数も、下位の数に対しては1.618倍
- (4)どの数も2つ上位の数に対しては0.382倍
- (5)どの数も2つ下位の数に対しては2.618倍
- (6)どの数も2倍し、その下位の数を加えると2つ上位の数になる
などである。
また(1)~(6)で出てきた0.618、1.618、0.382、2.618には、次の関係がある。
- 0.618×1.618=1
- 2.618×0.382=1
- 1.618-0.618=1
- 2.618-1.618=1
- 0.618+0.382=1
- 0.618×1.618=1
- 0.618×0.618=0.382
- 1.618×1.618=2.618
フィボナッチ級数は黄金比率·黄金分割とも呼ばれ、その比率は自然界の法則の一部とされ、ピラミッドやパルテノン神殿の建築様式にも用いられている。
実際の相場推移を見てみよう。2008年7月に1.60ドル超で天井を打ったユーロ/ドルだが、2017年1月には1.04ドル台を割り込む下落局面となった。その後は反転上昇したものの、フィボナッチ級数の0.382に当たる、いわゆる3分の1戻し(38.2%)水準である1.25ドル台半ばで戻りを抑えられたことが見て取れる。