16.%Rオシレーター

16.%Rオシレーター

オシレーターとは価格の変化率を示す指数のことであり、RSIもその1つである。基本は買われ過ぎ、売られ過ぎに注目する点であり、ラリー・ウィリアムズの%Rオシレーターも同様である。

%Rオシレーター(以下、%R)の計算式は表18-1の通り、一定期間内の最高値・最安値と現在値との比較を用いて、強弱の度合いを測る工夫がなされている。ただし、対象とする期間の長短により結果が異なってくるので、適正な期間をシミュレートする必要がある。

計算によって求めた数値は、折れ線グラフで表し、ローソク足のチャートが示す値動きと対照させて用いる。%Rは、数値が0%に近づけば「買われ過ぎ」、100%に近づけば「売られ過ぎ」と見る。RSIと逆だが、縦軸の目盛りを最大が0、最低が100と逆にしておけば、RSIと同じ感覚で利用できる。

図18-1 ドル/円日足

売買の目安としては、一般的には20%以下なら売り、80%以上なら買いの時期とされている。ただし、実際に使ってみると分かることだが、0%や100%という極大、極小値になることは珍しくない。RSIとは違って20%や80%がついたからとあせることはない。むしろ、0%あるいは100%という数値が出るのを待って仕掛ける方がよいだろう。

%Rは売り・買いのサインをRSIに先んじて発するという「敏感さ」が売り物である。言わば、逆バリの絶好のタイミングを逃さないという魅力を持つ。

ただ、%Rは敏感過ぎて、売買のサインが多く出過ぎる欠点も併せ持つ。だましを避けるには、0%や100%をつけた後に急反転したのを確認して仕掛ければよいとされる。また、0%や100%を2~3つけてからの反転パターン(ガーベッジ・トップ、ガーベッジ・ボトム)を見てから仕掛ける方法もある。

%RはRSI同様、一定レンジ内での往来相場では効力を最大限に発揮する。しかし、予想以上に行き過ぎてしまった場合などでは、RSIより先にサインが出る分、マイナスの幅が大きくなる。こうした特徴を考えれば、%Rは短期的な値幅取りに徹し、損切りも素早く行える人向けだと言えよう。

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