【業界図鑑】電気機器業界 ~ 高付加価値の薄型テレビで利益を確保

2018年12月05日
岡三オンライン証券株式会社

【業界図鑑】電気機器業界 ~ 高付加価値の薄型テレビで利益を確保

2018年12月、NHKが放送規格「8K」対応の専用チャンネルを衛星放送で開いた。世界に先駆けて日本で新たな時代が始まったと言える。「8K」は、横の画素数が7,680で、約8千であることに由来する。「4K」がフルハイビジョンの4倍の解像度であるのに対し、「8K」は16倍であり、高精細な映像表現が可能だ。「4K」では日本と韓国が先行しているが、今後日本のテレビメーカーは復活するだろうか?

1. 薄型テレビは大型化、4K対応

電子情報技術産業協会 (JEITA) の統計によると、2018年10月の薄型テレビの国内出荷台数は32.6万台で前年比+11.5%と好調だった。注目すべきは、30~39型が6.9万台で、50型以上が8.4万台とついに逆転したことである。ボリュームゾーンは依然として40~49型で11.7万台だが、50型以上が徐々に差を詰めている。

内訳を見ると、4K対応テレビが15.6万台となり、台数ベースで全体の48%を占めるようになった。ただし、4K放送はネット配信やBS、CSが先行し、地上波ではまだ未定である。さらに、専用アンテナが必要であり、チューナーも内蔵されていなければ別途購入しなければならない。テレビ離れとも言われる時代で、今年の春頃までのテレビ販売は盛り上がりに欠けていた。しかし夏頃からは好調である

<薄型テレビの国内出荷実績 (2018年) (単位:千台、前年比%)>

出所:JEITA資料より作成

2. 韓国、中国メーカーが台頭

世界的には、日本製テレビの存在感はほとんどない。シェアを見ると、首位のサムスン電子と第2位のLG電子の韓国メーカーで35%近くを占め、その次にTCL集団や海信集団 (ハイセンス) といった中国メーカーが12%、第5位にソニーが5%で入り込んでいる状況だ。

韓国は、1997年のアジア通貨危機でIMF (国際通貨基金) の管理下に入り、競争力を強化してきた。日本メーカーが国内を向いている間、韓国メーカーは新興国向け製品を開発。ガラス基板を大型化するなど思い切った設備投資を実施し、コストダウンに成功。その後中国メーカーも台頭してきた。

3. 日本メーカーは高付加価値製品に特化

2007年頃、ソニーは有機ELに固執した戦略の失敗を取り戻そうとしていた。それでも当時はシェアが15%あり、サムスン電子に続いて第2位につけていた。その後成長戦略を「進化するテレビ」とし、ウェブ上のコンテンツを再生できるなど、継続して課金できるビジネスモデルに転換した。現在は、過去最高益を出すなど業績が好調である。また子会社がソフト制作で4Kドラマを制作し、ソフトとハードの両面で4K普及を狙う。シャープは8Kテレビに注力している。世界を見ても、例えば中国では既に家電がいきわたってきたとの見方もあり、今後日本メーカーの高付加価値製品により注目が集まる可能性がある。

<テレビメーカー3社の業績推移>

パナソニック

シャープ

ソニー

注:19/3期以降はコンセンサス
出所:岡三オンライン証券-企業分析ナビ

4. テレビメーカー関連銘柄

コード 銘柄名 市場 概要 終値
(12/5)
注文画面
6502東芝東証総合電機大手。メモリ事業売却で再建を図る。ブランドは「REGZA」。2017年11月、テレビ事業を手がける子会社の株式の95%を中国の海信集団 (ハイセンス)に売却すると発表。国内でブランドを継続。3,550
6752パナソニック東証総合家電大手。テレビで世界第10位。ブランドは「VIERA」。2015年度にテレビ事業の黒字化を達成。パネル生産は撤退。2015年、北米テレビ事業を船井電機に譲渡。1,153
6753シャープ東証電機大手。2016年8月、台湾の鴻海精密工業の子会社となる。テレビで世界第6位。ブランドは「AQUOS」。8Kテレビを中心に展開。1,562
6758ソニー東証AV機器大手。テレビで世界第5位。2014年7月にテレビ事業を分社化。高付加価値製品に特化。5,935
6839船井電機東証AV家電中堅。北米向けに低価格テレビを販売。2018年7月、ヤマダ電機独占販売モデルとして格安4Kテレビを投入。ブランドは「FUNAI」。715

著者プロフィール

増井 麻里子(ますい まりこ)氏

株式会社Good Team 代表取締役社長

証券会社、ヘッジファンドを経て、米系格付会社・ムーディーズでは多業界に亘る大手事業会社の信用力分析、政府系金融・国際協力銀行(JBIC)では国際経済の調査を担当。

経済アナリストとして独立し、主に投資家向けのアドバイザリー業務を実施。

2017年6月、株式会社Good Teamの代表取締役社長に就任。

主な執筆・出演に週刊エコノミスト、国際金融、時事速報、Bloombergセミナー、日経CNBCなどがある。

メルマガ「5分でチェック!世界と日本の市場動向」(毎週火、水、木、金曜日) 配信中。

注意事項

  • 本投資情報は、情報の提供のみを目的としており、取引の勧誘を目的としたものではありません。
  • 本投資情報の公開および各コンテンツの更新については、都合により予告なく休止、変更、削除する場合があります。
  • 本投資情報の掲載情報の正確性・妥当性等について、岡三オンライン証券およびその情報の提供者が一切保証するものではありません。ご投資の最終決定は、お客さまご自身の知識、経験、投資目的、資産状況等に適う範囲で、ご自身の判断と責任で行ってください。
  • 本投資情報によって生じたいかなる損害についても、当社は一切責任を負いかねます。
  • 本投資情報は、いかなる目的であれ当社の許可なく転用・販売することを禁じます。

岡三オンライン証券の口座をお持ちでないお客さま

当社ではじめて取引されるお客さまへ

岡三オンライン証券の口座をお持ちのお客さま

パスワードをお忘れの場合

お電話でのお問い合わせ

0120-503-239(携帯からは03-5646-7532)

【受付時間】月~金 8:00から17:00 ※年末年始および祝日を除く

ページトップへ