日経平均28,000円割れの背景と今後の見通し ~目先は波乱含みも年末高に向けた強気スタンスに変更なし~

10/05(火)14:15

岡三証券 投資情報部
マーケット情報グループ 山本 信一
  • 日経平均は政局流動化期待の上昇分を全て吐き出す
  • 先物主導、中国恒大問題や米金利上昇など外部ネガティブ要因に敏感に反応
  • 新政権への評価はこれから、日本独自の強気材料にも期待

日経平均は8月31日以来の28,000円割れ

10月5日前場の日経平均は8月31日以来の28,000円割れとなった。7営業日で下げ幅は2,500円を超え、8月下旬からの政局流動化期待の上昇分をほぼ吐き出した格好だ。下げの要因としては、中国の不動産問題や米国でのインフレ懸念、債務上限問題などの外部要因に敏感に反応し、下げが加速している。

もっとも、9月の日本株は世界の株式市場のなかで独歩高を演じており、その反動が大きく出たともいえよう。9月29日の自民党総裁選イベント通過後は、出尽くしムードが広がる中、先物主導で下げが大きくなった。特にグロース株の下げがきつく、米金利上昇によるグロース売りの動きは、今年2月の時と同様だ。その時も、ファストリやSBGの急激な上昇により、日経平均は2月16日に戻り高値を更新したが、その後、米金利の急上昇により、大幅な調整となった。今回も金利上昇を警戒したとはいえ、足元、1.5%程度にとどまっており、日米ともに過剰に反応している。複数のネガティブ材料が絡み合い、買い手控えにつながっているといえそうだ。2月のケースになぞらえれば、市場心理の落ち着きとともに、反発に転じるとみている。

岸田新政権の評価はこれから

国内では、自民党総裁選で改革色の強い河野氏が敗北し、変化よりも安定を望んだ自民党への失望との見方も多い。ただ、岸田新政権はまだ発足したばかり。初入閣大臣が13名と多く、新鮮味も感じられる。政策実行力は未知数であり、再評価の可能性はあろう。加えて、米国を抜いた新型コロナワクチン接種率進展や、行動制限解除による消費の回復など国内独自の強気材料もある。外部のネガティブ要因は多いが、国内要因が緩衝材となろう。

一方、再び高値を目指すためには海外投資家の買い参戦も必要だ。8月下旬からの上昇局面においては、海外勢の現物の買い越しは9月第2週でストップしており、新政権への期待を過度に高めていたとは言い難い。短期筋を中心に先物売買が活発化しており、今回の調整もトレンドフォロー型の先物売りによるものであろう。岸田首相が今後、経済政策で強いメッセージを発信してくれば中長期の海外投資家による見直し買いが期待できそうだ。

目先は波乱含みも下値を拾う好機に

先週からの調整局面で半導体や電子部品などのハイテクセクターの下げが大きくなっているが、中長期の成長期待からタイミングを分散した下値拾いが有効となろう。政策関連ではDX関連の押し目買いや、人材関連や医療機器関連なども注目できよう。また、行動制限解除による消費の回復期待で不動産や電鉄、外食などにも物色が向かいそうだ。

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岡三証券株式会社
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(2021年8月30日改定)

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