「健康人生100年時代」 未来を創る医療機器

10/05(火)10:00

岡三証券 投資情報部
株式マーケティンググループ 小泉 めぐみ・鈴木 賢司

コロナ禍で先延ばしにされていた「不要不急」の医療処置の回復を背景に、医療機器メーカー大手の業績の復調が鮮明だ。中長期的には、長寿命化や「よりよく生きたい」という人類の健康に対する飽くなき追求が医療機器市場の成長を長期にわたり下支えしよう。

今後は、世界経済がコロナショックから立ち直るなか、金融緩和政策の正常化とともに金利水準の切り上がりが想定される。医療機器株 は、業績が景気に左右されにくいほか、金利上昇に対する耐性あることからも、有望な投資対象といえよう。

このようななか、①市場の安定的な拡大が見込まれるライフサイエンス(生命科学)向け分析機器
②今後の伸びしろが大きいと期待される健康モニタリングの2つの医療機器分野に注目したい。

創薬を支える分析機器は、安定成長が見込める分野

生物の構造をタンパク質や遺伝子、細胞レベルで解明し、疾病の原因や治療法の特定につなげる研究者向けのツール、分析機器は安定的な市場拡大が見込める分野だ。

その背景には、①「アンメット・メディカル・ニーズ(いまだ有効な治療方法がない疾病に対する医療ニーズ)」に挑む創薬は人類の永遠の課題であること、②遺伝子療法や免疫細胞療法などの画期的な治療法の台頭が、ライフサイエンス研究の活性化につながっていること、③分析機器の需要を創出する研究財源の継続的な拡大が見込めること、があろう。

創薬が担う社会的、経済的インパクトから、ライフサイエンス研究に投じられる資金は潤沢で、製薬会社の研究開発費や関連研究に充てられる国家予算は拡大が続いている。世界が「一枚岩」となった取り組みは持続的なものとみられ、研究財源と需要が連動する分析機器に対する旺盛なニーズが続きそうだ。

デジタルで医療を変革!伸びしろの大きい健康モニタリング

医療機器領域において、今後の「成長性」の観点から注目されるのが、健康モニタリング分野だ。健康モニタリングは、デジタルと伝統的な医療機器が融合したハイブリット型ビジネスといえ、2つの点から医療の在り方を大きく変える可能性を秘めている。

1つ目が、医療の「民主化」だ。インターネットに接続するウエアラブル機器を装着することで、利用者は血圧や血糖値などの生体データを「みえる化」し、自らの健康状態をリアルタイムで把握することができる。とりわけ、手間とお金がかかる慢性疾患管理と親和性が高く、「簡単」、「低コスト」、「正確」の三拍子そろった健康モニタリングは、所得や地域などに起因する医療格差を緩和し、万人に開かれた医療を実現すると期待されている。2つ目が、医療の「ビッグデータ化」だ。ビッグデータの活用は、診療の精度向上につながるばかりか、病気を未病でくい止める予防効果ももたらすことから、医療費の削減にもつながろう。

「非効率なヘルスケア業界をデジタルで変革する」との大義名分のもと、健康モニタリングは多くのIT企業が熱視線を送る分野だ。IT界の流儀が持ち込まれることで、質・量の両面からサービスの厚みが増す百花繚乱時代に突入したといえよう。

企業が慢性疾患分野に攻め入る理由は「ライフタイム・バリュー」

健康モニタリングの一角を成す慢性疾患管理は、顧客への独自のアプローチ手法が収益機会の拡大につながるとの見方から、多くの企業が熱視線を注いでいる。

一般的な診療プラットフォームにおいては、企業と顧客との関係は治療後に途切れることになるが、治療期間が長期に及ぶ慢性疾患においては、企業は顧客と「長く」、「頻繁に」、「深く」関わることが可能になるためだ。関連サービスが、顧客エンゲージメント(顧客がサービスをどの程度熱心に利用しているかを表す指標)の向上や顧客つなぎとめの「要」となることで、顧客から得られる「ライフタイム・バリュー(顧客が生涯をかけて商品・サービスに支払う累計金額)」も底上げされると期待される。

今後も、持続可能な収益を生み出すと期待される「慢性疾患×デジタル」に、多くの企業が引き寄せられるとみられ、参入企業の増加が市場の活性化につながる好循環が続こう。

全文は、以下のPDF版レポートでご覧いただけます。

この記事の全文はこちら

重要な注意事項

免責事項

  • 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供のみを目的として作成されたものであり、個々の投資家の特定の投資目的、または要望を考慮しているものではありません。また、過去の実績は必ずしも将来の成果を示唆するものではありません。投資に関する最終決定は投資家ご自身の判断と責任でなされるようお願いします。
  • 本レポートは、岡三証券が信頼できると判断した情報源からの情報に基づいて作成されたものですが、その情報の正確性、安全性を保証するものではありません。企業が過去の業績を訂正する等により、過去に言及した数値等を修正することがありますが、岡三証券がその責を負うものではありません。
  • また、本レポートに記された意見や予測等は、レポート作成時点での岡三証券の判断であり、今後予告なしに変更されることがあります。なお、本レポートは,日本証券業協会「アナリスト・レポートの取扱い等に関する規則」のアナリスト・レポートとして審査されたものです。
  • 岡三証券及びその関係会社、役職員が、本レポートに記されている有価証券について、自己売買または委託売買取引を行う場合があります。岡三証券の大量保有報告書の提出状況については、岡三証券のホームページ(https://www.okasan.co.jp/)をご参照ください。

開示事項

岡三証券株式会社の社外取締役1名が、三菱地所株式会社の社外取締役を兼任しています。

本レポートにおける個別銘柄に関する注意事項

  • 株価は日付日の終値。52週高値・安値は権利落ち修正後で、各取引所の立会市場の売買立会時(前場・後場)における約定値段を用いています。
  • 上場市場は東京証券取引所の場合、記載せず、複数市場上場の場合は売買高の多い市場を記載しています。
  • TOPIX、時価総額など、特に日付を記載していない場合は、個別銘柄の株価日付と同じです。
  • PBRの根拠となるBPSは会社公表数値を用いていますが、必要に応じて岡三証券が算出しています。
  • ROEの根拠となる自己資本は必要に応じて純資産から新株予約権と非支配(株主)持分の金額を控除した金額を用いています。
  • 予想EPSは当期利益を発行済株式数で除して計算しています。なお、払い込み前の公募、権利落ち前の株式分割等は考慮しておりません。
  • 時価総額は株価と発行済株式数で計算しています。
  • 発行済株式数は、会社公表の数値(自己株式を除く)あるいは、平均発行済株式数を原則として用いておりますが、株式分割、公募増資、自己株買入れなど必要に応じて岡三証券の推定による計算値を用いる場合があります。
  • 日本基準の連結当期利益は、親会社株主に帰属する当期純利益です。
  • 米国会計基準の当期利益は、当社株主に帰属する当期純利益です。
  • 国際会計基準(IFRS)の当期利益は、親会社の所有者に帰属する当期利益です。

地域別の開示事項

日本:

金融商品は、個別の金融商品ごとに、ご負担いただく手数料等の費用やリスクの内容や性質が異なります。金融商品取引のご契約にあたっては、あらかじめ当該契約の「契約締結前交付書面」(もしくは目論見書及びその補完書面)または「上場有価証券等書面」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契約ください。

<有価証券や金銭のお預りについて>

株式、優先出資証券等を当社の口座へお預けになる場合は、1年間に3,300円(税込み)の口座管理料をいただきます。加えて外国証券をお預けの場合には、1年間に3,300円(税込み)の口座管理料をいただきます。ただし、当社が定める条件を満たした場合は当該口座管理料を無料といたします。
なお、上記以外の有価証券や金銭のお預りについては料金をいただきません。さらに、証券保管振替機構を通じて他社へ株式等を口座振替する場合には、口座振替する数量に応じて、1銘柄あたり6,600円(税込み)を上限として口座振替手続料をいただきます。
お取引にあたっては「金銭・有価証券の預託、記帳及び振替に関する契約のご説明」の内容を十分にお読みいただき、ご理解いただいたうえでご契約ください。

<株式>
  • 株式(株式・ETF・J-REITなど)の売買取引には、約定代金(単価×数量)に対し、最大1.265%(税込み)(手数料金額が2,750円を下回った場合は2,750円(税込み))の売買手数料をいただきます。ただし、株式累積投資は一律1.265%(税込み)の売買手数料となります。国内株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
  • 外国株式の海外委託取引には、約定代金に対し、最大1.375%(税込み)の売買手数料をいただきます。外国株式の国内店頭(仕切り)取引では、お客様の購入および売却の単価を当社が提示します。この場合、約定代金に対し、別途の手数料および諸費用はかかりません。
    ※外国証券の外国取引にあたっては、外国金融商品市場等における売買手数料および公租公課その他の賦課金が発生します(外国取引に係る現地諸費用の額は、その時々の市場状況、現地情勢等に応じて決定されますので、その合計金額等をあらかじめ記載することはできません)。外国株式を募集等により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
  • 株式は、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による株価の変動によって損失が生じるおそれがあります。
  • 株式は、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、株価が変動することによって損失が生じるおそれがあります。
  • また、外国株式については、為替相場の変動によって、売却後に円換算した場合の額が下落することによって損失が生じるおそれがあります。
  • REITは、運用する不動産の価格や収益力の変動、発行者である投資法人の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により価格や分配金が変動し、損失が生じるおそれがあります。
<債券>
  • 債券を募集・売出し等により、または当社との相対取引により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。
  • 債券は、金利水準、株式相場、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による債券価格の変動によって損失が生じるおそれがあります。
  • 債券は、発行体やその他の者の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等により、債券価格が変動することによって損失が発生するおそれがあり、また、元本や利子の支払いの停滞もしくは支払い不能の発生または特約による元本の削減等のおそれがあります。
  • 金融機関が発行する債券は、信用状況の悪化により本拠所在地国の破綻処理制度が適用され、債権順位に従って元本や利子の削減や株式への転換等が行われる可能性があります。ただし、適用される制度は発行体の本拠所在地国により異なり、また今後変更される可能性があります。
<個人向け国債>
  • 個人向け国債を募集により購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。個人向け国債を中途換金する際は、次の計算によって算出される中途換金調整額が、売却される額面金額に経過利子を加えた金額より差し引かれます(直前2回分の各利子(税引前)相当額×0.79685)。
  • 個人向け国債は、安全性の高い金融商品でありますが、発行体である日本国政府の信用状況の悪化等により、元本や利子の支払いが滞ったり、支払い不能が生じるおそれがあります。
<転換社債型新株予約権付社債(転換社債)>

国内市場上場転換社債の売買取引には、約定代金に対し、最大1.10%(税込み)(手数料金額が2,750円を下回った場合は2,750円(税込み))の売買手数料をいただきます。転換社債を募集等によりご購入いただく場合は、購入対価のみをお支払いいただきます。転換社債は転換もしくは新株予約権の行使対象株式の価格下落や金利変動等による転換社債価格の下落により損失が生じるおそれがあります。また、外貨建て転換社債は、為替相場の変動等により損失が生じるおそれがあります。

<投資信託>
  • 投資信託のお申込みにあたっては、銘柄ごとに設定された費用をご負担いただきます。
    お申込時に直接ご負担いただく費用:お申込手数料(お申込金額に対して最大3.85%(税込み))
    保有期間中に間接的にご負担いただく費用:信託報酬(信託財産の純資産総額に対して最大年率2.254%(税込み))
    換金時に直接ご負担いただく費用:信託財産留保金(換金時に適用される基準価額に対して最大0.5%)
    その他の費用:監査報酬、有価証券等の売買にかかる手数料、資産を外国で保管する場合の費用等が必要となり、商品ごとに費用は異なります。お客様にご負担いただく費用の総額は、投資信託を保有される期間等に応じて異なりますので、記載することができません(外国投資信託の場合も同様です)。
  • 投資信託は、国内外の株式や債券等の金融商品に投資する商品ですので、株式相場、金利水準、為替相場、不動産相場、商品相場等の変動による、対象組入れ有価証券の価格の変動によって基準価額が下落することにより、損失が生じるおそれがあります。
  • 投資信託は、組入れた有価証券の発行者(或いは、受益証券に対する保証が付いている場合はその保証会社)の経営・財務状況の変化およびそれらに関する外部評価の変化等による、対象組入れ有価証券の価格の変動によって基準価額が変動することにより、損失が生じるおそれがあります。
  • 上記記載の手数料等の費用の最大値は、今後変更される場合があります。
<信用取引>

信用取引には、約定代金に対し、最大1.265%(税込み)(手数料金額が2,750円を下回った場合は2,750円(税込み))の売買手数料、管理費および権利処理手数料をいただきます。また、買付けの場合、買付代金に対する金利を、売付けの場合、売付株券等に対する貸株料および品貸料をいただきます。委託証拠金は、売買代金の30%以上で、かつ300万円以上の額が必要です。信用取引では、委託証拠金の約3.3倍までのお取引を行うことができるため、株価の変動により委託証拠金の額を上回る損失が生じるおそれがあります。

  • 自然災害等不測の事態により金融商品取引市場が取引を行えない場合は売買執行が行えないことがあります。
  • 2037年12月までの間、復興特別所得税として、源泉徴収に係る所得税額に対して2.1%の付加税が課税されます。

岡三証券株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第53号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

香港における本レポートの配布:

本レポートは、香港証券先物委員会(SFC)の監督下にある岡三国際(亜洲)有限公司によって、SFCに規定される適格機関投資家(PI)に配信されたものです。本レポートに関するお問い合わせは岡三国際(亜洲)有限公司にお願いします。

米国内における本レポートの配布:

本レポートは岡三証券が作成したものであり、1934年米国証券取引所法に基づく規則15a-6に規定される米国主要機関投資家のみに配信されたものです。本レポートは、受領者及びその従業員が使用することを目的として配信しております。岡三証券は、米国内における登録業者ではないため、米国居住者に対しブローカー業務を行いません。本レポートのアナリストは米国で活動をしていないため、米国のリサーチ・アナリストとして登録されておらず、資格も有しておりません。したがって、当該アナリストは、米国金融規制機構(FINRA)規則の適用の対象ではありません。

その他の地域における本レポートの配布:

本レポートは参照情報の提供のみを目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。
本レポートの受領者は、自身の投資リスクを考慮し、各国の法令、規則及びルール等の適用を受ける可能性があることに注意をする必要があります。
地域によっては、本レポートの配布は法律もしくは規則によって禁じられております。本レポートは、配布や発行、使用等をすることが法律に反したり、岡三証券に何らかの登録やライセンスの取得が要求される国や地域における国民や居住者に対する配布、使用等を目的としたものではありません。

※本レポートは、岡三証券が発行するものです。本レポートの著作権は岡三証券に帰属し、その目的いかんを問わず無断で本レポートを複写、複製、配布することを禁じます。

(2021年8月30日改定)

ページトップへ