「規制改革」断行を目指し菅政権始動! ~解散・総選挙シナリオも~

09/17(木)12:55

岡三証券 投資戦略部
日本株式戦略グループ 諏訪 健三郎

菅政権誕生。安倍路線を継承へ

菅氏が自民党総裁に選出され、臨時国会で指名選挙を経て次期内閣総理大臣に就任した。菅氏は安倍政権の政策を継承、「規制改革」を徹底し「成長戦略」を推進する考えだ。
株式市場が最も関心があるのは「金融政策」であろう。菅氏は討論会で物価2%目標を維持、更なる金融緩和にも含みを持たせる発言を行い、金融緩和路線を当分継続させそうだ。
また、「財政政策」では、新型コロナの感染対策をしつつも経済正常化に向けた取り組みを推進する構えだ。消費税引き上げは10年は無いと修正したが、本音は引き上げに賛成であろう。将来的に支持率が高まれば、更なる増税の可能性もあるため留意が必要だろう。

「成長戦略」では「デジタル庁」が目玉

新型コロナ禍では現金給付などでもたつき、行政のデジタル化の遅れが露呈した。そこで安倍政権は7月に決定した「骨太方針」において、行政のデジタル化を「一丁目一番地」と位置づけ推進する決意を見せた。
菅氏もこの流れを引き継ぎ、行政のデジタル化を推進すべく「デジタル庁」を設置することを掲げ、省庁の縦割りを打破する姿勢を打ち出している。どの省庁が主導して実行するかという点も、今後の政権と官僚との関係を読むうえで重要となろう。「オンライン診療」を恒久化することにも言及した。岩盤規制の打破への覚悟をみるうえで、試金石となろう。また、同一県内の地方銀行再編を認める考えだ。ふるさと納税の旗振り役でもあり、「地方活性化」への熱意も感じられる。中小企業を再編・体質を強化し、地方を活性化するイメージを持っている印象もあり、実行力次第では海外投資家が日本経済への評価を高める可能性があろう。今後の菅新首相のリーダーシップに注目だ。

「規制改革」断行なら解散も

改革を断行するのであれば、求心力が必要だ。菅政権が発足後、政権の正統性を強めるために衆議院解散・総選挙の可能性もあろう。自民党総裁選では地方票でも6割以上を確保し、支持率も高い。解散するとすれば内閣発足直後か来年のオリンピック・パラリンピック後が有力であろう。そこで、ここでは2000年以降の衆議院解散・総選挙時の株価動向をチェックしたい。

発足時は「議席獲得数」と「改革期待」が重要

解散から政権発足時当初に株価が上昇したのは、やはり「アベノミクス」を提唱した第2次安倍内閣だ。そして第3次小泉内閣、第3次安倍内閣と続く。反対に下落率が大きい内閣は、第2次森内閣だ。共通点は与党の「獲得議席」と「改革期待」。与党の獲得議席は第2次安倍内閣では68%、第3次小泉内閣では68%と与党が議席の大多数を獲得した結果、改革機運が高まり、その後の株価上昇に繋がった。
解散から内閣発足初期の段階では与党の「議席数」と「改革期待」が株式市場にとって大きな材料となる。「規制改革」の信任を問い、現状水準の議席数を確保できれば菅新首相の求心力は高まり、日本株の評価も高まるとみる。

株価上昇の持続性は政策と実行能力

株価が持続的に上昇するには、政策とその実行能力が必要だ。第2次安倍政権も「成長政策」では様々なアイデアは発案されたが、実行は小規模なものに留まった。海外投資家の日本経済への評価は下がり、ここ数年は売り越しに転じている。海外投資家が再度日本株を評価するためには、菅政権の「規制改革」への姿勢が重要となる。菅政権のデジタル庁の設置で行政の縦割りの打破、オンライン診療の恒久化が試金石となろう。

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