【次の一手】リスクオフの中、狙い目は「ケガの功名」銘柄群

06/04(火)17:25

東京株式市場が本格的なリスクオフ局面を迎えつつある。3日の日経平均株価はアッサリ2万500円割れ、4日もほとんど戻せなかった。ドル円も107円台で5か月ぶりの円高水準にある。一方、米国債は買われて米10年債利回りは急落し、2%という節目の攻防が目前。金価格も1300ドルを上回っており、米国債、円、金という「安全資産3点セット」に明確に資金が逃避している。

根底にあるのはもちろん、米中貿易摩擦の長期化だが、奇しくもきょう6月4日は天安門事件から30周年。中国ではナショナリズムが煽られやすい状況で、習近平国家主席が米国に安易な譲歩をできるわけもなく、局面打開は当面難しそうだ。
欧州ではEU議会選挙で中道派が敗北。各国で親EUと反EUの対立が激化すれば「第2のブレグジット」も懸念され、欧州経済の雄・ドイツではメルケル連立政権が風前の灯火だ。
さらには、米国司法省がフェイスブックやアップル、グーグルなどのハイテク企業を独禁法違反容疑で捜査すると伝わり、3日の米国市場でナスダック指数が1.6%安。東京市場のハイテク関連銘柄にも重石となっている。

こうしてみると、足元の株式市場はネガティブ材料のオンパレードだが、これらを今月の大阪G20で払拭し切れるのか。それは難しいだろう。基本的にG8やG20など複数国が参加するマルチの国際交渉枠組みでは、全参加国が共同声明にサインできる「一般論的なキレイごと」レベルまでしか話を詰められない。結局は米国と中国のバイ(1対1)交渉がカギを握っており、その帰趨は楽観視できず。だからこそ、それを織り込む形で株式市場は売られているのだろう。

こうした状況下で個人投資家はどう行動するか。確かに米中、欧州、米メキシコとネガティブ材料は満載だが、これはあくまでも市場全体やマクロ経済全体にとってのマイナス材料。個別セクターでは、逆にこうした紛争激化の“恩恵”を受ける銘柄もある。
例えば、レアアース関連。中国は対米報復措置として禁輸をちらつかせているが、一方で最大の顧客は米国でもある。戦略物資をめぐる神経質な貿易戦が長期化すれば、レアアースを取り扱う非鉄関連企業の業績にプラスとなる可能性もある。

アルコニックス(3036):日足:6ヶ月

また、リスクオフの円高が加速すれば、原油や原材料を海外から輸入している電力・ガス、製鉄、紙・パルプなどの企業群にはプラス。円高なら海外旅行が割安になるから、航空、旅行関連にも恩恵がありそうだ。
一方、米中摩擦が長期化し、「リーマンショック級」の悪影響が考えられる場合、安倍政権は消費増税を延期し、それを問う衆参ダブル選に踏み切るとの見方も強い。この時には選挙関連銘柄も動意付くだろう。
上記のようにマクロ情勢がネガティブでも、ミクロレベルで見れば、思わぬ「ケガの功名」となる銘柄も市場には確実に存在する。今回はその点に注目いただきたい。

レアアース関連
コード 銘柄名 主な事業 終値
(6/4)
注文画面
3036アルコニックスレアメタルに強い非鉄原料の専門商社1,307
5724アサカ理研電子部品からの貴金属回収、精錬事業を展開。光学レンズ廃棄物からレアアースを抽出1,600
5857アサヒホールディングス貴金属リサイクルと産業廃棄物処理2,095
円高メリット
コード 銘柄名 主な事業 終値
(6/4)
注文画面
5021コスモエネルギーホールディングス石油元売り大手2,140
2053中部飼料飼料大手1,132
9532大阪瓦斯京阪神地盤の都市ガス会社。電力も。1,966
6191エボラブルアジア航空券予約サイト「エアトリ」を運営。海外IT受託開発も2,163
選挙関連
コード 銘柄名 主な事業 終値
(6/4)
注文画面
3955イムラ封筒封筒大手657
3978マクロミルマーケティング調査、世論調査関連1,205
9699西尾レントオールテント、照明機器などの総合レンタル2,864

執筆者

渡部 一実 氏
株式会社ストックボイス 記者

産経新聞記者として政治経済報道に携わる。2014年からストックボイス記者。

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