【次の一手】Sell in April, and When&How we back?

04/16(火)19:20

今週の東京市場で日経平均株価は昨年12月以来4か月ぶりに2万2000円台を回復。年末から年初にかけての下落後、3月の2度にわたる2万2000円トライを弾き返され、ようやく「三度目の正直」で節目を抜いた。

日経平均株価:日足 6ヶ月

ただ、再来週にはいよいよ、前代未聞の10連休に突入する。この間は個別株取引ができず、先物・オプションも原則取引不可。連休中に海外発の材料が飛び出せば、現在の回復軌道を崩すような乱高下を招きかねない。
今年は正月休み中の「アップルショック」「フラッシュクラッシュ」の記憶も生々しく、すでに多くの投資家が保有ポジションを落としているようだ。東京、名古屋2市場合計の信用買い残高(4月5日申込時点)は前週比1862億円減の2兆1695億円と2年3カ月ぶりの低水準。まさに「Sell in May」ならぬ「Sell in April」となっている。

焦点はすでに連休中のリスク回避ではなく、連休明けにいつ、どんな形で投資資金が市場に戻ってくるか、だろう。
米国では5月相場について「Sell in May, and go away. Don't come back until St Leger day.」のアノマリーがあり、5月は年末以降の含み益を一旦利食って静観モードに入る時期とされる。5月をピークに以降の相場が冷え込む背景として、(1)総合課税還付が1~5月で終了、5月で還付金の再投資が途切れる(2)5月はヘッジファンド決算に伴う益出し売りが多い―などの点が指摘される。が、あくまでこれは米国の話。日本には直接当てはまらない。

日本では通常、年末株高のケースが多いから、年末申し込みの信用買い残の決済期限が近づく5月に手仕舞い売りが誘発されやすい事情はあるものの、過去10年間、日経平均の4月末終値と5月末終値を比べると、5月に株価が上昇したケースが5回、下落も5回。勝敗はトントンだ。ただ、下落の場合は大きく落ちるケースが多く、10年間の平均騰落率は-4.0%となっている。

5月 月間騰落率
2009年 +7.9%
2010年 -11.7%
2011年 -1.6%
2012年 -10.3%
2013年 -0.6%
2014年 +2.3%
2015年 +5.3%
2016年 +3.4%
2017年 +2.4%
2018年 -1.2%

同様に過去10年間の業種別騰落をみてみよう。

7勝3敗
(5業種)
水産農林業、医薬品、精密機器、陸運業、情報通信業
6勝4敗
(10業種)
食料品、化学、ガラス土石製品、電気機器、輸送用機器、その他製品、小売業、保険業、不動産業、サービス業
5勝5敗
(6業種)
建設業、パルプ紙、ゴム製品、機械、電気ガス業、空運業
4勝6敗
(8業種)
鉄鋼、非鉄金属、金属製品、海運業、卸売業、銀行業、証券商品先物取引業、その他金融業
3勝7敗
(4業種)
鉱業、繊維製品、石油石炭製品、倉庫運輸関連業

9勝1敗や1勝9敗など、極端に5月に上がりやすい、下がりやすい、と言えるセクターはないが、総じていえば水産農林、薬品、陸運、情報通信、小売、不動産など内需系が強く、海運、鉄鋼、非鉄、石油石炭、鉱業など資源系・景気敏感系が弱いと判断できよう。ちなみに7勝3敗と高い勝率を誇る5セクターの10年間の平均騰落率は、水産・農林業(+0.83%)、医薬品(-0.80%)、精密機器(+ 1.07%)、陸運業(-0.47%)、情報・通信業(+0.84%)となっている。

一方、毎年5月は連休明けにすぐ決算相場が始まる。4月15日時点の東証データなどによると、5月10日には671社、14日には550社、15日には473社が発表を予定。結局、決算プレーも相まって、連休明けの5月2週は様子見、3週から本腰という投資家が多くなりそうだ。

今回は5月に勝率の高いセクターから、前期(2019年3月期)業績予想が強く、今期にも期待できそうな銘柄を列挙した。参照いただきたい。

コード 銘柄名 業種・内容 前期最終増益予想率 終値
(4/16)
注文画面
1379 ホクト 水産・農林業 24.9% 1,919
ブナシメジ、マイタケなどキノコ最大手
1973 NECネッツエスアイ 情報・通信業 1.9% 2,729
NECの工事部門が独立。企業向けシステム構築やクラウド提供
3741 セック 情報・通信業 17.4% 3,685
モバイル端末、ロボット、宇宙先端システム向けソフトウェア技術
7701 島津製作所 精密機器 7.2% 3,190
分析・計測機器大手で医用機器、航空機器にも強い
7979 松風 精密機器 26.4% 1,270
歯科材料・器具製造。人工歯、研削材が有力

執筆者

渡部 一実 氏
株式会社ストックボイス 記者

産経新聞記者として政治経済報道に携わる。2014年からストックボイス記者。

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