2019年度の為替相場展望

04/01(月)15:50

Ⅰ.2019年度の為替相場見通し

1.2020年3月末の各通貨の対円予想

米ドル 当面は横ばい圏で神経質な動きに。中長期的にはドル高円安に
【直近】110.37円
【20年3月末予想】118.0円
ユーロ 目先は上値の重い推移となろうが、中長期的には上昇余地も
【直近】124.98円
【20年3月末予想】135.0円
英ポンド EU離脱交渉の行方をにらみ神経質な動きが続こう
【直近】146.17円
【20年3月末予想】148.0円
ロシア・ルーブル 目先上昇一服となっても、中長期的な上昇余地は残ろう
【直近】1.71円
【20年3月末予想】1.78円
インド・ルピー 総選挙を無難に通過すれば上昇余地が拡大しよう
【直近】1.60円
【20年3月末予想】1.65円
豪ドル 目先は横ばい推移を見込むが、中長期的には一定の上昇余地も
【直近】78.68円
【20年3月末予想】84.0円
NZドル 目先は横ばい推移を見込むが、中長期的には一定の上昇余地も
【直近】76.20円
【20年3月末予想】80.0円
ブラジル・レアル 改革進展は未知数で、徐々に上値は重くなろう
【直近】28.62円
【20年3月末予想】29.0円
メキシコ・ペソ 中長期的に上昇余地が残ろう
【直近】5.80円
【20年3月末予想】6.20円
トルコ・リラ 底堅い推移に。ただ、政治リスクなどには注意が必要
【直近】20.67円
【20年3月末予想】20.0円
南ア・ランド 総選挙で改革期待が高まる場面も。長期的には不透明感が強い
【直近】7.68円
【20年3月末予想】7.90円
人民元 当面、横ばい圏での推移が続こう
【直近】16.45円

※直近は2019年3月26日時点

2.相場見通し-当面神経質な動きに。中長期的には円安へ-

• 世界経済の動きは弱まっている。ただ、徐々に金融緩和などによる景気支援が大きくなろう
• 円高場面があっても限定的に。中長期的にはドル高円安へ
• 新興国通貨ではメキシコ・ペソに注目する

岡三証券株式会社 投資情報部門

Ⅱ.為替相場を取り巻く環境

徐々に金融緩和による景気支援効果が大きくなろう

1月にIMFは、2019年の世界経済見通しを3.5%として、前回予想(18年10月時点、3.7%)から下方修正した。他方、主要国の製造業PMIは弱含んでおり、さらなる下方修正がありそうだ。
一方、3月のFOMCでは9月末にバランスシートの縮小を停止する方針が明言されるなど、よりハト派的になってきた。欧州中央銀行(ECB)は年内利上げを断念する方針を示し、新たな資金供給オペを2019年9月から開始することを決定。さらに中国人民銀行は、年初に預金準備率の引き下げを実施。日銀は低金利政策を継続し、インド中銀は2月にサプライズ利下げを実施した。米10年国債利回りは米国の政策金利を下回り、日本10年国債利回りはより深いマイナス圏に沈んでいる。世界は再度、金融緩和的になってきたといえるだろう。
加えて、中国当局は2兆元規模の減税や社会保障負担の軽減など財政政策を打ち出した。日本では今後、消費増税前、東京五輪前の特需が盛り上げる期間に入っていこう。
当面は世界経済の鈍さが目立つ状況となるとみるが、徐々に金融緩和などの政策による景気支援効果が大きくなっていくだろう。

当面、神経質な動きに。中長期的にはドル高円安へ

目先、ドル円相場は横ばい圏で神経質な展開となろう。足元で米金利が低下したため、当面はドル高円安余地は限られるとみる。
さらに米中貿易交渉や英国のEU離脱の行方、今後始まる予定の日米貿易協議の動向、加えて北朝鮮情勢などがリスクオフ要因として意識される可能性がある。そうなれば、一時的にドル安円高場面が生じる可能性がある。また、日本では4月下旬から始まるGWが、今年は10連休となる。前述したリスクオフ要因が残るなか、日本の連休中に海外市場が波乱となる可能性は意識せざるを得ない。GW前に投機筋の円売りポジションを解消する動きが出る可能性もあろう。
ただ、年初にドル円相場は急速にドル安円高が進んだが、その後は値を戻している。日本の低金利、日本企業の海外M&Aに前向きな姿勢、高齢化による経常収支の悪化観測などからの円安圧力は今後も残るとみる。円高場面が生じるならば、外貨建て資産投資の好機になると考える。
新興国通貨ではメキシコ・ペソに注目する。政策リスク、格下げリスクには注意が必要だが、インフレ率が落ち着いてきたことは評価できよう。
インド・ルピーは潜在成長力の高さは注目できるが、4-5月に実施される総選挙の動向を見極める必要があろう。総選挙が無難な結果となればインド・ルピーの上昇余地は拡大するとみる。

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(2017年7月改定)

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