逆日歩とは

逆日歩とは

逆日歩とは売り手の支払うコスト

「逆日歩(ぎゃくひぶ)」とは、信用取引の売り手(売建をしている投資家)が買い手(買建をしている投資家)に支払うコストのことです。

逆日歩の仕組み

信用取引においては、買建は借りた現金で株式を買い、売建は借りた株式を売ります。ただし、これらは担保として証券会社に預けられ、証券会社は買建側の株式を売建側が借りた株式へ、売建側の現金は買建側が借りた現金に融通します。通常は証券会社内で差引して、不足が生じた場合は証券金融会社から借り入れることで充足していますが、権利付最終日に向けてつなぎ売りが急増するなど、証券金融会社を通じても株式の調達が困難になる場合があります。この場合、株式を保有している銀行や保険会社などの機関投資家などから株式を調達することになりますが、株式を調達するには入札で決定した手数料を支払う必要があります。その手数料が逆日歩と呼ばれ、売るための株式の調達コストとなりますので、売建をしている投資家が支払う必要があります(買建をしている投資家は株式の貸し手となりますので、逆日歩を受取ることになります)。

逆日歩が発生するまでの流れ

証券金融会社は、銘柄ごとに信用売り(貸株)と信用買い(融資)を毎営業日集計しており、信用売りと信用買いを付き合わせ、信用売りが上回っていれば、上回っている分だけ株不足となります。

逆日歩発生の流れ

株不足が発生すると、証券金融会社は、翌営業日の10時までに信用買いを増やす「融資の追加申込」と信用売りの残高を減らす「貸株の返済申込」を受付け、株不足の解消に努めます。それと同時に、生命保険会社や損害保険会社、銀行などの機関投資家に対して、株不足が発生している銘柄の入札受付を行います。

「融資の追加申込」と「貸株の返済申込」で株不足が解消しない場合において、逆日歩が発生します。同時進行している入札において、提示された品貸料の安い順に不足している株を手当し、最終的に株不足が解消された時の品貸料が、その日の逆日歩となります。

証券金融会社の調整(「融資の追加申込」と「貸株の返済申込」)によって株不足が解消する「満額」と、株不足が発生した際の入札において、必要株数の落札が無料で完了する「零銭」となった場合は逆日歩は発生しません。

逆日歩の計算方法

逆日歩は「1株あたり1日につき○銭」というようにかかりますので、仮に1株につき50銭だとすると、100株単元の株式を1単元売建てていると、日々「50銭×100株=50円」を支払わなければなりません。事前に逆日歩の発生がわかれば売建をしないなどの対処もできますが、実際には逆日歩がわかるのは取引を行った翌営業日となります。
ただし、直近の需給状況(信用取引の貸株と融資の株数)は取引画面等で確認することができますので、売建をする場合には事前に確認をするようにした方がよいでしょう。

下落相場でも利益を狙うことができる空売りは使い方によっては便利な取引手法となりますが、権利付最終売買日近辺など空売りが集中する可能性が高い場合には注意が必要となります。

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