次の一手 ~市場の話題とテーマ~

2017年06月16日
岡三オンライン証券株式会社

43年ぶりとなる高水準の有効求人倍率を背景に注目を集める人材関連銘柄

厚生労働省が5月30日に発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は前月より0.03ポイント高い1.48倍となった。この水準はバブル期のピークである1990年7月の1.46倍を超え、1974年2月以来43年2カ月ぶりの高さとなった。完全失業率も前月横ばいの2.8%と低く、雇用は堅調な推移を見せており、「売り手市場」の様相を強める結果となった。

有効求人倍率

足元の雇用環境は大きく改善しているが、40年前と比べ大きく異なるのはパート労働者の増加だ。バブル期に10%台前半だったパート労働者の比率は足元で30%を上回って推移している。このことが原因で、有効求人倍率の上昇ほど景気が良いと実感しにくいうえ、全体的な賃金上昇圧力を抑えている面があるが、正社員の有効求人倍率も徐々に改善してきていることには注目したい。

正社員の4月の有効求人倍率(季節調整値)は0.97倍と1倍を下回っているものの、2004年11月の統計開始以来最高値となった。1年前の2016年4月が0.84倍であったことを考えるとこちらも順調に上昇してきている。6月5日に厚生労働大臣の諮問機関である労働政策審議会が厚生労働大臣に対し、時間外労働の上限規制等について建議を行ったことや、14日には日本労働組合総連合会(連合)の神津会長が「長時間労働是正に向けた行動開始宣言集会」において働き方改革の推進を訴えたことなどから、正社員の有効求人倍率も間もなく1倍を超えてくることが想定される。

正社員の有効求人倍率が1倍を超えてくると、正社員がよりよい待遇を求め転職をしようとする動きが活発になってくると言われており、今後は賃金上昇圧力が高まってくることが想定され、景気回復も実感できるようになるだろう。

こうした流れから足元ではあまり話題となっていないが人材関連銘柄の株価は年初以来堅調な推移となっていることには注目したい。人材関連銘柄は、IoT関連や半導体製造装置関連などのような派手さはない一方で、「働き方改革」は安倍内閣の最大のチャレンジと位置付けられていることから国策関連銘柄であることや、人材関連銘柄の多くは内需型の銘柄であり為替変動の影響を受けにくいことなどが堅調な株価推移の要因と考えられる。

以下に主な人材関連銘柄の一覧を掲載しているので、参考にしていただきたい。

主な人材関連銘柄

コード 銘柄名 終値
(6/16)
年初来
高値
注文画面
2124 ジェイエイシーリクルートメント 1,692 1,951
2146 UTグループ 1,731 1,839
2154 トラスト・テック 2,142 2,286
2162 nms ホールディングス 609 648
2168 パソナグループ 1,153 1,169
2181 テンプホールディングス 2,151 2,353
2379 ディップ 2,348 2,678
2427 アウトソーシング 5,290 5,470
2429 ワールドホールディングス 2,364 2,717
2462 ライク 3,205 3,335
3756 豆蔵ホールディングス 1,000 1,074
4318 クイック 1,515 1,544
4641 アルプス技研 3,715 4,095
4849 エン・ジャパン 2,914 3,180
6098 リクルートホールディングス 6,070 6,340
6198 キャリア 4,280 5,260
6702 富士通 789 823
9613 エヌ・ティ・ティ・データ 6,160 6,190
9719 SCSK 5,070 5,100
9744 メイテック 4,750 5,120
9792 ニチイ学館 1,087 1,124
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