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2017年03月14日
岡三オンライン証券株式会社

米国利上げの「功」と「罪」

米国では15日まで開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での政策金利引き上げが確実視され、焦点は次がいつなのかに移った感がある。直近のシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の金利先物市場が織り込む6月利上げの確率は5割超の水準まで上昇しており、FOMCの各委員が示す当面の政策金利見通しがどうなるのか、2017年と18年の利上げ予測回数の中心値が切り上がるのかどうかに注目が集まる。

東京市場から見た米国の金利引き上げには功罪両面がある。まず「功」は日米の金利差が広がり、結果として円から米ドルへ資金が流れて外為市場で円安ドル高が進みやすくなる。株式市場では自動車や電機などの輸出関連企業を中心にした収益拡大を背景に、株価が上昇しやすくなる。最近は輸出企業のみならず、小売りやサービスなど内需関連企業についても、円安は訪日外国人客の増加を通じて収益への追い風に働く。一方で「罪」はといえば、金利の上昇は景気や総需要などを抑制する効果を持つ。例えば大半の人がローンを組んで購入する住宅や自動車などの市場にはブレーキがかかる公算が大きい。その意味で日本の基幹産業といえる自動車などは、円安のプラス効果と販売抑制というマイナス効果が綱引きする構図だが、為替の円安メリットはあくまで本業の自動車販売が順調に推移するのが前提ともいえ、肝心の販売が伸び悩んでしまっては円安効果だけで収益を維持するのは不可能であろう。

また、金利上昇は株式市場へのリスクマネー流入を抑える効果も併せ持つ。利上げの初期段階は景気拡大のパワーが勝り、しばらくは株価も上昇する。しかし、一定の「均衡点」を迎えると、一気に急落したり、暴落したりというのは過去の経験則でもある。

このため、ここは米国の景気や金利引き上げの影響を受けにくい銘柄群にもある程度、資金をシフトさせておくことも必要だろう。例えば建機レンタル大手のカナモト(9678)が10日に発表した2017年10月期の第1四半期(16年11月~17年1月期)連結決算は純利益が31億円(前年同期比24%増)と好調だった。昨年夏に北海道で発生した台風被害の復旧関連工事でレンタル建機の需要が増え、リニア中央新幹線や北陸新幹線など大型工事向けも堅調だった。ユーザーである建設各社の足元の業績も好調に推移していることは容易に推測される。東京五輪関連の工事が本格化し、今後は事業規模28兆円の経済対策の効果も顕在化する。関連する各社の業績も米国の利上げや円相場の行方とは一線を画す形で順調に伸びていくことが見込まれ、買い安心感があるだろう。おもな建設株をチェックしてみたい。

主な建設関連銘柄

コード 銘柄名 終値
(3/14)
昨年来
高値
注文画面
1801 大成建 822 929
1802 大林組 1,052 1,178
1803 清水建 1,050 1,110
1805 飛島建 172 203
1810 松井建 1,045 1,345
1811 銭高組 419 579
1812 鹿島 746 843
1815 鉄建建設 333 393
1820 西松建 603 606
1821 三住建設 127 132
1822 大豊建 557 597
1824 前田建 1,057 1,091
1827 ナカノフドー 701 762
1833 奥村組 729 733
1852 浅沼組 346 403
1860 戸田建 718 729
1861 熊谷組 305 363
1893 五洋建 568 634

執筆者

今野 浩明(こんの ひろあき)
株式会社ストックボイス 記者

証券専門紙および外資系情報配信会社で計11年余にわたり金融・資本市場や事業会社の取材、報道に従事。2001年にラジオNIKKEI記者、2016年12月からストックボイス記者。

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