【信用取引】株式分割時の信用建玉の取扱い

株式分割等により新株式、新株引受権等を付与された場合の取扱いは次のとおりです。

一般信用取引は整数倍以外の分割の場合は、信用期日が権利付売買最終日に繰上げられるため、分割後の単価調整は発生しません。

分割比率が整数倍(1:2、1:5等)の場合

株式分割の分割比率に応じて、建玉の買付けまたは売付けの数量を増加し、買値または売値(約定値段)を減額します。 ※分割比率が整数倍の株式分割であっても、単元変更と同時に行われることにより単元未満株が発生する場合には入札に基づく権利処理が行なわれます。

【例1】
A銘柄は5月25日を権利付最終日(権利落日5月26日、基準日5月31日)として1:2の分割を行いました。仮に、銘柄Aを分割前に1,000,000円で1株建てている場合、 分割後の建玉数は、新株1株が増加し合計2株となります。
建単価は分割比率に応じて計算し、旧株・新株とも、(1,000,000円 ÷ 2) = 500,000円になります。

分割前

銘柄 建株数 建単価 建日 信用期日
A銘柄 1株 100万円 5月1日 11月1日

分割後

銘柄 建株数 建単価 建日 信用期日  
A銘柄 1株 50万円 5月1日 11月1日 ・・・旧株分
A銘柄 1株 50万円 5月26日 11月1日 ・・・新株分
  • 建玉の合計金額(建玉数×建単価)は、分割前後とも変わりません。(上記の例では建玉の合計金額はどちらも1,000,000円)
  • 正式な分割後の株数は、夜間システム処理(一括処理)後よりご確認いただけます。
  • 新株建玉の建日は権利落日、信用期日は旧株建玉の信用期日と同じです。(お客さまでの決済は信用期日の前営業日大引けまで)。
  • 新株建玉に対する諸費用(金利・逆日歩等)は、権利落日から計算されます。

【例2】
B銘柄は5月25日を権利付最終日(権利落日5月26日、基準日5月31日)として1:3の分割を行いました。仮に、銘柄を分割前に1,000,000円で1株建てている場合、 分割後の建玉数は、新株2株が増加し合計3株となります。

新株の建単価は分割比率に応じて計算し、
(1,000,000円÷3) =333,333... より 333,333円になります。
旧株の建単価は、分割比率に応じた上記計算の端数分を考慮し、
1,000,000円 -(333,333円 × 2) = 333,334円となります。

分割前

銘柄 建株数 建単価 建日 信用期日
B銘柄 1株 1,000,000円 5月1日 11月1日

分割後

銘柄 建株数 建単価 建日 信用期日  
B銘柄 1株 333,334円 5月1日 11月1日 ・・・旧株分
B銘柄 1株 333,333円 5月26日 11月1日 ・・・新株分
B銘柄 1株 333,333円 5月26日 11月1日 ・・・新株分

分割比率が整数倍以外(1:1.2、1:1.5等)の場合

一般信用取引は整数倍以外の分割の場合は、信用期日が権利付売買最終日に繰上げられるため、分割後の単価調整は発生しません。

当該銘柄の建単価から権利処理価格を差し引いて単価修正を行います。
修正後の建単価=当初の建単価-権利処理価格

  • この「権利処理価格」は理論値ではなく、権利落日に行われる証券金融会社の権利入札等により決定されます。入札時の相場状況・需給関係によって、実際に決定される「権利処理価格」は理論値と乖離する場合があります。ご注意ください。
  • 権利処理価格は権利落日(入札日)夕刻までに証券金融会社より発表されるため、権利処理価格による単価修正は、権利落日の夜間システム処理(一括処理)以降に行います。証券金融会社の発表する権利処理価格での建単価修正完了まで、当社の定める権利処理価格により仮の建単価修正を行います。なお、権利処理価格を差引いた正確な建単価は、原則、権利落日夜間システム処理(一括処理)以降に反映されます。建単価のみの修正となり、株数は増加しません。
  • 証券金融会社の発表する権利処理価格での建単価修正完了までの間、信用建玉の評価損益および信用建玉を決済した場合の受渡金額は、実際の金額とは異なります。
  • 新株引受権の入札が行われなかった場合、権利落後の理論価格を元に算出された権利処理価格により建単価の修正を行います。権利落後の理論価格は株式分割が行われる銘柄の権利付最終日の終値(特別気配で終わった場合はその気配値)から分割比率に応じて算出されます。

【例】
銘柄Dは5月25日を権利付最終日(権利落日5月26日)として1:1.5の分割を行いました。銘柄Dの5月25日終値が1,500,000円とします。需給関係を考慮せず、分割比率だけで計算した理論上の権利処理価格は、(1,500,000円÷1.5)×0.5 = 500,000円となります。

このため、銘柄Dを分割前に1,200,000円で建てている場合、権利落日当日の建単価は暫定的に700,000円(=1,200,000円-500,000円)と表示されます。

その後、権利入札により権利処理価格が400,000円になった場合、銘柄Cの調整後の正式な建単価は 800,000円(=1,200,000円-400,000円)になります。

日付 建株数 建単価
25日17:00頃まで(システム処理前) 1株 1,200,000円
25日17:00以降(システム処理後)
から27日6:00頃(システム処理前)まで
1株 概算建単価(※1)=120万円-50万円=70万円
当社の定める権利処理価
=150万円-(150万円÷1.5)=50万円
27日から 1株 分割後建単価※2=120万円-40万円=80万円
  • ※1概算建単価=分割前建単価-当社の定める権利処理価格
    当社の定める権利処理価格=権利付最終日の終値-(権利付最終日の終値÷分割比率)
  • ※2分割後建単価=分割前建単価-権利処理価格

注意事項

  • 入札時の相場状況・需給により実際の権利処理価格が当社が定める権利処理価格により算出した、概算建単価とは乖離する場合があります。ご注意ください。
  • 一般信用取引は整数倍以外の分割の場合は、信用期日が権利付売買最終日に繰上げられるため、分割後の単価調整は発生しません。
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